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『高校入試』 著:湊 かなえ

nyushi

湊かなえ『高校入試』を読みました。

公表を博した『告白』の印象があったので興味を持ったわけです。予想どおりといいますか、表題からも分かるように、学園モノミステリー。

特に『入試』に焦点を充てた社会派な内容です。

本書は、映像作品用の脚本の依頼に応えて、著者が創り上げたものですが、小説化にあたっては加筆・修正が加えられたようです。

この作品では、高校入試の前日から当日にかけてある事件が起こります。

この作品の特徴は、非常に多くの人物が登場し、各々が自らの視点で心境を語ってゆく稀有な構成でしょうか。映像作品の脚本をベースにしているからでしょうね。

そのため、語り部の視点が登場人物23名を移っていきます。本を読み慣れた方でも戸惑うかもしれません。また、映像作品にモノローグはない、という著者の考えから、会話のみで進行するシーンもあり、リーダビリティは低いです。

生徒たちではなく、登場人物がほとんど教師というのも特徴でしょうか。
著者に教鞭をとっていた経験があるようで、事なかれ主義の管理職や当たり前のような残業、生徒との複雑な関係といった学校という閉鎖空間にある”濁り”のようなものを上手く描き出しているように感じました。

採点ミスによる合否の判定誤り。
時々現実世界でも報道されますが、どれほど一人の人間の人生というものに影響を与えることでしょう。社会派、とレッテル張りしたのはこの点が一つのテーマとなっているためです。

そうした重いテーマを扱いながらも、試験中に試験内容を掲示板に書き込んでいくという表現であったり、時事とエンタメを融合させた工夫が織り交ぜられていてさほど堅苦しさは感じません。

大学入試センター試験が毎年のように変わってゆくように、入試制度そのもののあり方も見直さねばならない時期に来ているのかもしれませんね。

オススメ度 ☆☆☆

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『母性』 著:湊 かなえ

「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」
著者入魂の、書き下ろし長編。

持つものと持たないもの。欲するものと欲さないもの。二種類の女性、母と娘。高台にある美しい家。暗闇の中で求めていた無償の愛、温もり。ないけれどある、あるけれどない。私は母の分身なのだから。母の願いだったから。心を込めて。私は愛能う限り、娘を大切に育ててきました──。それをめぐる記録と記憶、そして探索の物語。

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