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『吐きたいほど愛してる。』 著:新堂 冬樹

hakitai

エログロといえば、新堂さんの作品はいかがでしょうか。

といって薦められたのがこれ。SONY Readerの電子本で買い求め安くなっていました。
(実は定期的に付与されるポイントで購入したものです。)

それはさておき、ミステリー以外に積極的に手を伸ばしてこなかった自分にとっては非常に新味でした。今回初めて知りましたが、作者は本作のような、ともすれば吐き気を催すような醜悪な人物像を描いたり、冷酷無比な殺人鬼のお話を書いたりする”黒新堂”と、対称的に心温まる感動的物語をテーマの中心に置く”白新堂”が存在するとかしないとか。

本作は4編の中編を収録したものなので、4つの新堂を楽しめることになるのですが、テーマが共通しているのは、何かにとりつかれたかのような偏執的、妄執的な傾向が主人公や登場人物にあることでしょうか。

第1編の『半蔵の黒子』では、155センチ90キロ、禿げて三重顎、口臭、悪臭、腋臭という三冠王どころかある意味パーフェクトな人物が、「自分にはこれらの欠点を上回る魅力があるのだ」と信じて疑わない話。
もちろん何においても自分を正当化してしまうわけなのですが、そんな人物が青春時代にライバル視していた人物と再会。その人物は当時半蔵の想い人とも結ばれていた成績優秀のイケメン。

そんな人物を目の前にして、半蔵は一体どんな行動をとるのか。

半蔵の境遇そのものも高いレベルでグロテスクなのですが、言動や行動についても負けず劣らずなので、トラブルにならないわけがありません。間違いなく黒新堂の作品です。

初めて読んだ新堂作品がこちらの作品でしたので、ある程度予想していたとはいえ強烈でした。お気楽なライトノベルやお定まりの殺人事件を読む程度の読書人にとっては目の覚めるような、というか目が覚めました。

他の3作品もグロさエグさともに高いレベルです。でも目を離せない異様な魅力のある本です。こういったジャンルもありかなと思ってしまいますね。

オススメ度 ☆☆☆

 

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