読書アイキャッチ

『天久鷹央の推理カルテ』 著:知念 実希人

統括診断部。天医会総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護師。突然赤ちゃんを身籠った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた…?頭脳明晰、博覧強記の天才女医・天久鷹央が解き明かす新感覚メディカル・ミステリー。

 

『仮面病棟』でこの著者を知りましたが、シリーズものも書いているようでしたので、手にとってみました。
『天久鷹央の推理カルテ』。仮面病棟と同じく、医療をテーマとしたライトなミステリものです。

ライトノベルかと思うようなイラストが添えられており、今はどこの文芸社もこういうレーベルを抱えているのだなぁと思いながら、”新感覚のメディカル・ミステリー”といううたい文句にそそられました。

天久鷹央(あめく たかお)は、20代ながら超人的な診断能力を持つ女医であり、超人的な童顔であり、天医会総合病院の副院長をしています。
統括診断部という部を持ち、他の専門科で診断不能の患者さんがここに回されてくるのです。

主人公は鷹央の部下、小鳥遊優。鷹央にはいいようにこき使われる便利な一医師という設定です。

シリーズものなので、患者と謎がセットで現れて、鷹央と小鳥遊が二人で解決していくという王道パターン。
医療をテーマにしているにしては、内容は素人の私にも分かりやすく書かれています。
(1巻だから簡単なものにしたのでしょうか。)

先日紹介した、『エンブリオ』のようにリアルすぎる感はなく、シリアスな展開でもありません。
本当にライトノベルのような感覚で、劇中の世界も現代日本とは思えない異世界であるかのような印象を受けます。

ミステリの醍醐味の一つに、「意外性」があげられます。
「意外性」というからには、読者へのミスリードがあって初めて成立するものかと思います。
医療ミステリにおいては、専門的なファクターが謎を解く鍵であったりするので、ミスリードのしようがないという欠点はありますが、そこを巧く読者に理解しやすいように補ってエンターテインメント性溢れる演出を表現されています。

キャラも立っていて、『仮面病棟』よりも遥かに面白いです。
少し毛色の違ったミステリに手を出してみたいという方にはオススメできそうです。
シリーズ化されているようですし、次作も続けて読もうと思える一冊でした。

オススメ度 ☆☆☆☆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>